続々・140字SSにチャレンジした記録 - 9/9

「私があなたが好きなのはね、過剰なまでの自信を窺わせてみたり、ふてぶてしく人を見下げてみせたり、斜に構えて世の中を眺めてみせたりする割には、永遠に叶わないような理想を純情にも信じて追いかけ続けているからですよ」
「嘘でもいいからもっと可愛げのある理由を挙げろよ! お前、俺をどんな人間だと思っていやがるんだ!」

140字SSお題ったー
kyoさんは【嘘でもいいから】をお題にして、140字以内でSSを書いてください。

「生き返ったことはさしたる奇跡ではありませんね。私からすれば、あなたが生まれてきたことの方がよっぽど奇跡ですよ、マサキ」
「お前の云いたいことはさっぱりわからねえ。何だそれは。ラ・ギアス世界じゃ死人が生き返るのも日常だってか」
「あなたがいなければ、私は自分の人生を歩むことを許されなかったでしょう。永遠にヴォルクルスの傀儡として生きながらえなければならなかった。ですから私にとっての唯一無二の奇跡は、あなたがこの世に生れ落ちたことであると云えるのですよ」
 流石にその言葉の意味はマサキにも理解出来たようだった。彼は暫し沈黙してみせると、嫌な奇跡もあったもんだな。とだけ呟き、次のシュウの言葉を待つかのようにモニターの向こう側。サイバスターの操縦席から、真っ直ぐにシュウを見据えてくる。

140文字で書くSSお題
kyoさんは『奇跡』をお題に、140字でSSを書いてください。

 何度も脳内で練習した台詞をいざ口にすべく、マサキは大きく息を吸い込んだ。喉が鳴る。緊張しきっているのが自分自身でもよくわかる。初めての魔装機戦でもここまで緊張することはなかった。えーと……気の抜けきった声が出る。
「俺も、お前のことが、好き?」
 何だかニャア。二匹の使い魔が盛大に溜息を洩らす。特に女性性を持つクロには思うところがあったようだ。あたしたち相手にそんニャ調子で、シュウに会ったらどうするのよ。呆れた様子で吐き捨ててくる。

140字SSお題ったー
kyoさんは【告白練習】をお題にして、140字以内でSSを書いてください。

 熱を押して戦列に立っていたようだ。艦に戻るなりその場に倒れ込んだマサキを彼の艦での居所キャビンに運び込んだシュウは、ぼんやりとした視線を彷徨わせているマサキの顔を覗き込んだ。そして、静かに口唇を近付けていった。
 はあはあと苦し気に息を吐いているマサキの薄く開かれた口唇の奥に、赤く染まった舌が覗いている。堪らない。シュウはマサキの口唇の温もりを求めて、静かに口唇を近付けていった。
「馬鹿、お前。風邪がうつるだろ……」
 力なくシュウの身体を押し退けようとするマサキの腕を取り払って、あなたからなら喜んでもらいますよ。口唇に息がかかるほど近く囁きかけたシュウは、そのままマサキの熱い口唇に自らの口唇を重ねていった。

140字SSお題ったー2
kyoさんは【熱い唇】をお題にして、140字以内でSSを書いてください。